宮城県の地元住宅会社”高勝の家”は豊富な住まいのバリエーションが特徴だ。
涌谷町で開催された完成見学会に行ってきた(2008年3月)
宮城県大崎市の高勝の家。仙台エリアをカバーする明石台の住宅展示場はおしゃれなデザイナー住宅。石巻市の住宅展示場と古川の住宅展示場は手ごろな馴染みやすい雰囲気の住宅を見られるのだが。宮城県の大きな敷地にしっくり来る和風の豪邸までも手がけているとは知らなかった。まさに今回の住まいは高勝の家の裏メニューと言っても良いだろう。古くからのお客様など、知る人ぞ知る高勝の家の注文住宅メニューだ。
高勝の家の旗を目印に進むと広大な敷地にどっしりとした住まいが見えてくる。一般的な分譲地では見られない威風堂々とした住まい。宮城県の農村部に見られる大型の和風住宅。敷地や周辺の景色に負けないこのスタイルは宮城の生活と自然の中から自然と生まれてきたものだろうか。一棟一棟全て違う建物なのだが、どこか統一されたスタイルであり、土地の雰囲気や景色をつくる大切な要素になっている。その地に住み、その地の生活を肌で知っている会社でなけれ
ば作るのが難しい住まいだ。大きさだけ見ても、一般的な住宅2棟分の大きさなのだ。廊下だけでも、この長さ。普段、廊下の写真は撮影しないのだが、今回は驚きのあまりシャッターを押してしまった。
その土地のライフスタイルに適した和室2間続きと広縁、お孫さん達が日向ぼっこしたり、かけっこをして叱られたり、滑って遊んだりする姿が目に浮かぶような家。もちろん、床材も無垢の床材、薄い板を合板の上に張った物とは表面から感じる深みも異なる。和室の柱もヒノキの節の無いもの、太さも普通の柱の倍近くあるものだ。同じ太さでも表面に薄い板を張った柱は見た事があるが、まったくの本物ははじめて見た。建物の大きさ、空間の大きさ、本物素材の醸し出す雰囲気、そのバランスを肌で知りコーディネートできる経験豊かな職人と現場監督の仕事ぶり、を感じる事ができる。
この住まい、2世帯が住まう住宅として建てられている。もちろん立派な今風のキッチンとリビングもあったのだが、玄関を入って目に飛び込んだ和室の美しさに気をとられて撮影を忘れてしまったのだ。建て主の知り合いに製作を依頼したという立派な神棚、そして空気が引き締まるような木々の納まりに、ついつい見惚れてしまった。
住宅の仕事に就いて間もない頃は和室の価値があまりよく判らなかった。
簡易な和室を1部屋まかされて叱られながら仕上げたり、先輩の和室を手伝ったり、今回のように見学会でベテランの作った和室を見るうちに、次第に職人の意気込みのようなものを感じられるようになってきた。木につける印のつけ方、刃物の当て方、手の汗一滴でも気を抜くと、その痕跡が残りやすい和室。一般的な部屋とは違い職人の意気込みと緊張感が存在する空間となる。和室は作り手の心を感じ、姿勢を感じ、空間との対話を楽しむ場として大きな意味をもっているのではないだろうか。機能的な意味よりも、和室の存在そのものが重要な意味をもつのかもしれない。住まいを十分満喫し堪能できた完成見学会だ。